2017年01月02日

2017年賀状

新年のご挨拶を申しあげます

昨年 18か月ぶりに車生活に戻りました
携帯も持たなかった私がスマホを持つ身となりました
11 12月にかけてはJR東日本のジパングを利用し 青森 秋田を旅行しました 北国 特に日本海側の冬の天候状況を考えずに計画を立て 天気には恵まれませんでしたが 三内丸山遺跡の見学が 特に印象に残りました
小雪舞う中 上田さんというご年配のボランティアの方が はるか縄文時代の人々の暮らしなどを丁寧に話してくださいました
雪は急に吹雪いたり 太陽が顔を見せたりの一日でしたが 歴史好きで古代ロマンに胸を弾ませていた娘を懐かしく思いながら施設内を巡りました 
新しい発見 発掘によって歴史が塗り替えられて行くことも学びました
昨年この他いくつかの旅行や美術館巡りなどをしましたが ほとんどが雨や複数回の雪に見舞われ 特に東北の旅行から帰ってからは日本各地の天気情報が気になるようになりました
今は暖かい春のおとずれが待たれます

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2016-11-29 11.50.02.jpg          青森市 三内丸山遺跡
     
様々なことが続いて起こる変動の時代ですが 
新しい年が皆様にとりまして 良いお年でありますようお祈り致します
本年もどうぞよろしくお願い致します

タグ:遺跡
posted by kikyoukarukaya at 22:29| 埼玉 ☔| Comment(0) | 私が育てたカラスの赤ちゃん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月06日

まんじゅしゃげの花に思うこと

十日ほど前、郷里に住む妹から、お互いの疎遠を気遣う手紙が来ました。
白い封筒に切手を貼った、いわゆる普通の手紙を久しぶりに読みました。
その中に、昔(中3のころ)私が書いた「まんじゅしゃげ」の詩が書いてありました。

庭に咲くまんじゅしゃげ(彼岸花)の花を見て、〇〇ちゃん(私)の詩を思い出した、と書いていました。
亡くなった姑さんの好きだった花だそうです。姑さんが植えたほんの数株が今は庭一面に広がっていて、『義母とは生前いろいろことがあったけれど、亡くなって8年も経つと懐かしく思い出します」といった心を打ついい手紙でした。「うろ覚えだけど」という断りもあった私の詩は次のようなものです。

まんじゅしゃげの花を見た
まんじゅしゃげの花が咲いていたから
赤い、あかい花だから
美しいきれいないい花だから
花びらをなめてみて
死んでしまってもいいという気になるのだよ


若さ、幼さの至りでか、いくぶんミステリアスな詩も書いていた私。
思考がいつも詩や文章になって止まなかった時期の一編です。おそらく文学を熱く語っていた一人の先生へのあこがれの思いからだったと思います。
このまんじゅしゃげの詩にはさらに結びの二行があるのですが、妹の記憶はあっていて私も毎年秋になるとその詩を思い出していました。
実はこの詩を書く少し前、今は題名も忘れましたが曼珠沙華というタイトルがついた短い小説を読んだのでした。
オムニバスふうの作品の中の一編で、旅芸人か、何かそういった生業の少女が死んでしまうという悲しい物語でした。その物語の中で「だって、おっしょさん」と少女は誰かのことを読んでいました。その言葉を悲痛な叫びのように受け止めて、心を曇らせた記憶があります。
まんじゅしゃげという花の呼び方のことは、母が歌っていた、

赤い花ならまんじゅしゃげ
オランダ屋敷に雨が降る


という歌で知っていました。
母は美声の持ち主で、どこまでも響く張りのある声でよくこの歌を歌っていました。
その歌が印象的だったので、死を扱ったその小説には少なからず衝撃を受けました。それで通常は彼岸花と呼んでいた花を迷いなく「まんじゅしゃげ」と書いたのだと思います。私にとってはその少女への鎮魂の歌でもあったのです。

妹は庭に咲くまんじゅしゃげを仏壇に供えたと書いていました。
我が家の庭にもその同じ花があります。植えた記憶がないので風か鳥かが運んだものと思われますが、今年も白とピンクの2本の萩の根元に咲く、その花を見つけました。
風に揺れる萩と色鮮やかに咲くまんじゅしゃげ。
あの詩を書いたころには想像もできなかった人生を生きてきたことを感慨深く思いました。辛い出来事もありましたが、いろいろな感情から解き放たれた穏やかな、今のこの暮らしが好きです。何事もない平和を感謝しています。
蚊の出る時期にはいつもガラス戸越しに庭を眺めるのが習慣です。今はもう萩の花も盛りを過ぎ、まんじゅしゃげも細い茎の先に種のようなふくらみを残して散りました。
これほど強い存在感のあるまんじゅしゃげの花を、『咲いていたから見た』と書いたのはなぜだろう、もしかしたら白秋の『バラの木にバラの花咲く』という詩の影響だったかもと思ったりします。。
当時、この詩や『野ばらの道を過ぎゆけば、師の家ありとわれ思う』などの詩がとても好きでした。

『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク ナニゴトノ不思議ナケレド、
薔薇ノ花 ナニゴトノ不思議ナケレド 照リ極マレバ 木ヨリコボルル  光コボルル』

                                   北原白秋です。

posted by kikyoukarukaya at 11:13| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日々思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月07日

与謝野晶子の詩

G7伊勢志摩サミットで各国要人の胸に光る真珠の(ラベルピンだそう)を見ていたら、大好きだった与謝野晶子が真珠貝の詩を書いていたことを思い出しました。
検索してもなぜかヒットしなかったのですが、貝がその身を削って真珠を生み出していくという短い物語詩です。(前掲)
その詩が載った古い本を長年所有していましたが、とっさに見つからず、記憶のままに5分の3くらいをブログに書きました。数日して本が見つかり『真珠貝』の詩をブログに書きましたが、その頃忙しくしており詩だけしか載せられませんでしたので、今回思うところを書き加えました。

与謝野晶子の作品にはかつて、少なからず影響を受けていました。

〇〇〇〇や、私は与謝野晶子が好き  などどいう俳句を作ったり、
道を問われ ほほえみかえす 花の上
虫の音を 聞いて湯ざめの 束ね髪
 など、晶子の歌の語句を借りた俳句をいくつか作りました。

本は『東西五月社』というところから出された『少年少女日本文学名作全集』の中の与謝野晶子集です。昭和35年(1960年)に出版されていて、佐藤春夫、伊藤整、福田清人等が監修にあたっています。
購入の経緯は忘れましたが、裏扉に古本屋さんが貼ったらしい値札を剥がした跡があったので、きっと神田の古本屋街あたりで買ったのだと思います。
与謝野晶子の歌にはなぜか心惹かれるものがありました。
短歌にそれほどの興味はなくても、限られた語句でつづられる短歌は、当時忍耐して読めば、静かな共感を得られるといった感じを受けました。
詩のいくつかは軽快で覚えやすく、次の詩も好きでした。最後にどきりとさせられましたが、これもネット検索できなかったので掲載させて頂きました。

『初 夏』 与謝野晶子

初夏が来た、初夏は
髪をきれいに梳き分けた、
十六七の美少年。
さくらいろした肉付きに、
ようも似合うた詰襟の
みどりの上着、白ずぼん。

初夏が来た、初夏は
青いほのおをわきたたす
南の海の精であろ。
きゃしゃな前歯に麦のくき
ちょいとかみ切りふく笛を、
つつみがたない火の調子。

初夏が来た、初夏は
ほそいずぼんに、赤いくつ、
つえをふりふりかけて来た。
そよろとにおう追い風に、
枳殻(きこく)の若芽、けしの花、
青梅の実も身をゆする。

初夏が来た、初夏は
五行ばかりの新しい
恋の小唄をくちずさみ、
女の呼吸(いき)のする窓へ、
物を思えど、青白い
百合のかげをば投げに来た。

このほか『晩秋』という詩、『道は一すじ、並木道。赤い入日が斜(はす)にさし、点、点、点、点、朱のまだら……  』などもあります。

前回、『真珠貝』の詩を思い出そうと頭をひねっていて、軽快な七、五調のこの感じはなんだろうと思って気づいたのですが、有名な『君死にたもうことなかれ』と同じリズムだったんですね。
それで頭が混乱してきて、時間もなくなってやめました。せめて『あけぼの』という言葉でも思い出せれば、その先が続いた気がしますが、あの時浮かんできませんでした。
ではここで改めて『真珠貝』の詩。

『真 珠 貝』 与謝野晶子

真珠の貝は常に泣く。
人こそ知らぬ、大海は
風ふかぬ日も波だてば、
波にゆられて貝の身の
ところさだめず伏しまろび、
千尋の底に常に泣く。

まして、たまたま目に見えぬ
小さい砂の貝に入り
波にゆらるるたびごとに
さとくやさしき身を刺せば、
避くるよしなき苦しさに
貝はもだえて常に泣く。

しのびて泣けど、おりおりに
なみだは身よりにじみ出て、
貝にこもれる一点の
小さき砂をうるおせば、
清くせつなきそのなみだ
はかなき砂をおおいつつ、
日ごとに玉と変われども、
貝は転びて常に泣く。

東に上る「あけぼの」は
そのあたたかきばら色を、
夜行く月は水色を、
虹は不思議にかがやきを、
ともに空より投げかけて、
砂は真珠となり行けど、
それとも知らず、貝の身は
波に揺られて常に泣く。

posted by kikyoukarukaya at 21:47| 埼玉 ☔| Comment(0) | 切り抜き帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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